孫子曰く、戦いは始まる前から勝敗は決していると言うじゃないですか。
どれだけ準備をしていたかという差ですでに決まっているというやつですよ。相手が十人と分かっていれば百人かき集められたらまず負けやしないとかそういうやつですね。
これは、仕事や部活などの他のジャンルにおいても同様だと思うんですよ。計画さえ念入りにしておけば、しっかりと準備も出来るし、遅れたりしたときもすぐに分かり、そのための対応もその都度行うことが出来る。
ほら、昨年の修学旅行なんていい例だと思いますよ。あのときも自由時間の計画、フリーダムとしか書いていなかった僕らは、当日の四分の三は移動だけに費やしたあげく、食べ物屋を見つけることも出来なくて昼食も夕食も牛丼というオチつきでした。本当観光地で食べる牛丼は若干しょっぱいですよね。特に心が汗をかいちゃいます。いや、話のネタとしては困らなくなるのはいいんですけど。
話を戻しますと、学生の一大イベントである夏休み。その計画は綿密に立てなくちゃいけないと思うんですよ。
先ほど申したようにですね、計画さえたてておけば、宿題をどのくらいのペースでやれば良いのか分かるし、どのくらい遅れているかも一目瞭然です。
そう、計画さえ立てていれば。
だから、しっかりと夏休みの計画は立てました。何と、分単位刻みの綿密なタイムスケジュールです。
オーケーです。この時点で二択しか落ちはありませんよね?
そして、先生的にはどちらにしても結末は一緒であると。
まあ、一応説明しておきましょうか。
計画を立てるのに必死すぎて、出来た頃に夏休みが終わっていた。ふふふ、そんな間抜けなことはしませんよ。ちゃんと始まる前にたてましたとも。気合いを入れて一月も前にたてちゃいましたとも。
では、たてるだけで、実践しなかった。こちらなら、最初に言った言葉とは逆ですねということに出来るしスムーズです。いえいえ、そんなチープな落ちは用意していませんよ。大丈夫です。トイレの時間までは正確には行えませんでしたけど、時間通りに実践しましたよ。
……それで、何が言いたいんだ、ですか?
いや、最初にお話した通りですよ。戦いは始まる前から勝敗が決している。ほんと、昔の偉い人は上手いこと言ったもんですよ。
どうぞ、これが夏休みの宿題です。
……。
……。
おかしいですね。
ただ、ちゃんと計画通り宿題をやっただけなのに、何が悪かったんでしょう?